80年代を熱くさせたバイクで在ることには間違いないオートバイ
SUZUKI GSX1100S katana
今や伝説に成りつつある歴史の長い、オートバイ。
もう30年弱も前にデザイン、生産されていたオートバイが今でも多く走っているということは、
とても珍しい事だと思います。
ドイツ人デザイナー、ハンスムート(今はBMWのデザインを担当しているとの事)がデザインし、スズキの開発チームが忠実に再現したスズキの最高傑作のオートバイ。
この独特なフォルムを持つ、まさにスズキを代表する”KATANA”。
ハンス・ムートが「日本刀」をイメージしてデザインされたKATANAは、
実はGS650Gのほうが先にデザインされ、第二段としてデザインされたのが「GSX1100S
KATANA」である。
GSX1100Sは’81年に初期型である「SZ」がデビュー。
基本設計はそのままに’82年に「SD」、
’83年には赤銀カラーの「SE」とマイナーチェンジを重ね、
’87年にはSZとほぼ同一の「SAE」、「SL」
外装やエンジンはSEと共通だがフレームが赤く塗られ、商社、成和限定車として、「SBE」が限定販売された。
逆輸入車最後の赤銀カラー限定の「SSL」
SSLは「フロントANDF部分のみメッシュブレーキホース」、
SEと違い、「シルバーキャブレター」、「二色ホイール」、「黒エンジン」と細かい所に変更が施されています。
その後、しばらく生産を中止していたが’90年にアニバーサリーモデルとしてSMが再登場。
その後国内仕様のSRを’94年から再生産。
「SR」からの変更箇所は、
「パワーアシストクラッチ」「純正オイルクーラー」「リザーバー別体式リアサスペンション」
「アンチノーズダイブ無しフロントフォーク」「プッシュキャンセルウインカー」「180キロメーター」
そして’00年には「ファイナルエディション」としてスズキはKATANAの生産を最後とした。
限定1100台のうち5台はヨシムラジャパンにより、チューニングされ、
「1135R」というネームで5人のサムライ達に販売されました。
GSX1000SはアメリカのAMAスーパーバイクを強く意識して登場したモデル。
レギュレーションにより1100ccからボアダウンされ1000ccとなっている。
’82年に登場したSZはスパーバイク用にVMキャブを搭載したアメリカ仕様(GS1000Sというネーミングだった)と、1100と同じCVキャブのヨーロッパ仕様があったがアメリカ仕様のVMキャブは扱いにくい特性であったためアメリカ仕様以外では使用されることは無く、
’83年のSDは1100SDとほぼ同仕様でこれが最終モデルとなりGSX1000Sは
希少モデルであるのがわかるだろう。
GSX750Sは’82年当時、規制が厳しくセパレートハンドル、スクリーン、
そしてチンスポイラーも装着できず「耕運機ハンドル」と呼ばれる不恰好なハンドルがつき、
「過激すぎる」という理由から「刀」のロゴマークもつけられなかった。
そして、発売まもなくスクリーンの認可が下り、
GSX750SSが発売。’83年にはフロント19から16インチへ、
リヤは18インチから17インチへと変更され、色もガンメタとなる。
そして’84年にはハンスムートのデザインからスズキの
社内デザインであるリトラクタブル式ヘッドライトとなるS3、
通称「3型KATANA」が登場。
これも斬新ではあったが初代の洗練されたイメージが薄れてしまった。
しかしながら丸型フレームから角型フレームに変更し、
走りの面では大幅に進化している為、人気を博した。
そして’85年に登場したシルバーメタリックのS4型が最終形となる。
デザインは年配受けしそうなタッチでギアポジセンサーなど、画期的な装備も見受けられました。
そのほか、GSX125E、250E、400E、600F、1100Fと
ミドルネームに「KATANA」の文字の入ったものもあったが、
事実上の「KATANA」は、H・ムートデザインの「KATANA」と
社内デザインの「GSX750S3・S4」であるといってもだれも異論はとなえないであろう。
余談ですが、
刀のタンクのステッカー「SUZUKI」の朱色のような色は、
「神社の鳥居」をモチーフにしているという噂が有ります、
刀のシートの鮫肌も、刀の柄をイメージし、シートカウルの紺色も、
日本刀の柄に多い、染色だった事は偶然ではないと私は思います。
この後に、空冷エンジンは一旦幕を閉じることとなり、
油冷のSUZUKIの時代が到来いたします、今はGSX1400など、
少なくはなりましたが、空冷→油冷→水冷の歴史が打ち立てられました。
その中で、排ガス規制の問題で、今は空冷エンジンを作る技術が
有っても、生産性が悪いなどの色々な理由から今は空冷という
カテゴリーは希少になってしまいました。
カタナは空冷、
しかしエンジン設計は前世代のGSエンジンと同じ為、
パフォーマンスは正直高くは有りません、
それなりにカスタムしないと、本来の性能を発揮できません。
理屈やスペックを述べれば対したバイクでは有りませんが、
大げさにいうと、日本人のMADEINJAPANの
ブランドが立ち上がってきた時代と重なるため、
後発では有りますが、
このバイクが日本のオートバイの凄さを世界に知らしめた一台でも
在ると思います。
何よりも、オートバイ乗りの憧れであり、夢であるバイク、
バイクを知らない人でも「ああ、カタナって知ってるよ」と言わせてしまう
オートバイ。
このようなバイクは後にも先にも私の記憶には有りません、、、、
私見になってしまうかも知れませんが、カタナとは、
オートバイの域を超えて、歴史に残って恥じないオートバイであると、
こう思います。